めまいの原因をわかりやすく解説

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めまいの原因をわかりやすく解説

はじめに

「めまい」は、誰でも一度は経験することのある症状のひとつです。立ち上がったときにふらっとする軽いものから、天井がぐるぐる回って立てなくなるような強いものまで、感じ方はさまざまです。
しかし一口に「めまい」といっても、その原因は耳、脳、血圧、薬の副作用、心のストレスなど、多岐にわたります。ここでは、めまいが起こる仕組みと主な原因について、わかりやすく説明していきます。


めまいとは何か

私たちの身体は、耳の奥にある「三半規管」や「前庭(ぜんてい)」という器官、目、そして筋肉や関節の感覚を使って、身体のバランスを保っています。
これらの情報は脳でまとめられ、「今自分の体がどの方向に向いているか」「どのくらい傾いているか」を常に調整しています。
このバランスを感じ取るシステムのどこかに異常が起こると、脳が「体が動いている」と誤って感じてしまい、ぐるぐる回るような「めまい」や「ふらつき」が起こります。


めまいの種類

めまいには大きく分けて3つのタイプがあります。

  1. 回転性めまい(ぐるぐる回るタイプ)
    自分や周囲がぐるぐる回っているように感じるめまいです。
    多くは内耳(三半規管や前庭)に原因があります。
    吐き気や嘔吐を伴うことも多く、横になると少し楽になります。
  2. 浮動性めまい(ふわふわするタイプ)
    ふわふわと宙に浮いたような感じで、まっすぐ歩けないことがあります。
    主に脳や血流の異常、またはストレスや自律神経の乱れによって起こります。
  3. 立ちくらみ(眼前暗黒感)
    立ち上がったときにクラッとしたり、目の前が暗くなったりするものです。
    一時的に脳に行く血流が減ることで起こります。

主な原因①:耳の異常によるもの(末梢性めまい)

耳の奥には、体の傾きや回転を感じ取る「前庭」と「三半規管」があります。ここにトラブルが起きると、脳が体の向きを正しく認識できなくなり、回転性のめまいが生じます。

代表的なものを紹介します。

● 良性発作性頭位めまい症(BPPV)

最も多いタイプのめまいです。
耳の中の「耳石(じせき)」という小さなカルシウムの粒が、三半規管の中に入り込んでしまい、頭を動かすたびに神経を刺激してめまいが起こります。
寝返りや起き上がるときにぐるっと回るようなめまいが一瞬起こりますが、数十秒〜1分程度で治まるのが特徴です。
高齢者や寝たきりがちの方、または女性に多くみられます。

● メニエール病

内耳の中にあるリンパ液の量が増えすぎて、耳の中にむくみが生じる病気です。
「耳が詰まった感じ」「耳鳴り」「難聴」といった症状を伴い、ぐるぐる回る強いめまいが数時間続くことがあります。
ストレスや睡眠不足、塩分の摂りすぎが関係するといわれています。


主な原因②:脳や血流の異常によるもの(中枢性めまい)

脳の中で、平衡感覚を司る部分に異常が起こると、めまいが生じます。

● 脳梗塞・脳出血

小脳や脳幹と呼ばれる部位に血流障害が起こると、めまい、ふらつき、呂律(ろれつ)が回らない、手足のしびれなどが現れます。
特に「今までにない激しいめまい」や「片側の手足の力が入りにくい」といった症状を伴う場合は、すぐに救急受診が必要です。


主な原因③:血圧・自律神経の乱れ

血圧の変化や自律神経の働きが乱れると、脳に送られる血液の量が一時的に不足し、ふらつきや立ちくらみを起こします。

● 起立性低血圧

寝ている状態から急に立ち上がると、血圧が下がってクラッとする現象です。
高齢者や脱水、または降圧薬を飲んでいる方に多くみられます。

● 自律神経失調症

ストレスや過労、睡眠不足、ホルモン変化などで自律神経のバランスが崩れると、めまいやふらつきが起こりやすくなります。
女性では更年期にもよくみられる症状です。


主な原因④:心身のストレスや心理的要因

検査をしても異常が見つからないめまいの中には、精神的ストレスや過労が関係していることがあります。
特に「慢性的なめまい」「ふわふわする感じ」「緊張や人混みで悪化する」場合は、心の状態が関係していることが少なくありません。

「心因性めまい」や「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」と呼ばれ、耳や脳の障害が回復した後も、脳が「めまいを感じやすい状態」に慣れてしまうことで続くことがあります。
ストレスのケアやリハビリ、時に抗不安薬などの治療が行われます。


主な原因⑤:複合タイプ

上記の原因がいくつか重なり合っている場合もあります。
また、メニエール病の内耳のリンパの量や起立性低血圧の血圧や血管の収縮などほとんどのケースで自律神経が関係しています。なので自律神経を安定させることが症状改善にはとても重要です。


どんなときに受診すべき?

めまいは多くの場合、命に関わらない一過性のものですが、次のような場合はできるだけ早く受診しましょう。

  • 突然の強いめまいで立てない、吐き気を伴う
  • 手足のしびれ、言葉が出にくい、視力の異常を伴う
  • めまいが何時間も続く
  • 耳鳴りや難聴を伴う
  • 頻繁に繰り返す

まずは耳鼻咽喉科内科を受診し、必要に応じて神経内科脳神経外科で精密検査を行うとよいでしょう。


まとめ

めまいは、「耳」「脳」「血圧」「ストレス」など、さまざまな要因が重なって起こる症状です。
耳の病気によるものが多い一方で、脳梗塞などの重大な病気のサインである場合もあるため、自己判断せず、早めの受診が大切です。
また、めまいを予防するためには、十分な睡眠、バランスの取れた食事、水分補給、ストレスケア、そして首や肩をこまめに動かすことも役立ちます。

まずは病院で検査して異常が無かったり、思うように改善しない場合は自律神経が深く関係している可能性が高くなります。

「めまい」は体のSOSサインです。無理をせず、自分の体の声を聞きながら、原因を正しく知って対処していくことが、健康を守る第一歩になります。

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